目次
④ 調べ学習の本を選書するコツは…?
理想は先生とコミュニケーションをとりながら
新しく本を購入するときは、先生と学校司書がコミュニケーションを取りながら選ぶのがベストです。特に1年生~6年生までの担任経験があり、全学年の教育内容を把握しているベテランの先生には、ぜひご協力いただきたいところです。
この学研のサイトを見て「これは使える」と思った本を互いに紹介し合うのもいいでしょうし、ブックフェアに一緒に行くのもいいですね。
先生と相談をしながら選書・購入を
先生からは「この本なら何年生のあの教科で使えそう」と具体的な意見が出てくるでしょうし、一方、司書のほうは学校にある本をだいたい把握していますから、「この本はもう置いてあるので、こちらはどうでしょう」などと提案できます。そうやって相談しながら選書し、購入するのがいちばんです。
一度でまとめ買いするのは控えたい
時間がないからといって、1回のブックフェアでまとめて選び、その年度の予算を使い切ってしまうのは感心しません。本というのはどんどん新しいものが出るので、情報を得るためにアンテナを張り巡らし、ブックフェアにも年間2~3回は足を運んでほしいです。
また、この学研のサイトのようなネットの情報なら、忙しい先生もチェックしやすいでしょう。ぜひ司書のほうから先生にこのサイトを紹介し、選書や購入の際の参考にしてほしいと思います。
⑤ 子どもが使いやすい調べ学習の本とは…?
同じテーマの本が並ぶ中で、どんな本を選ぶか?
資料や本を購入するとき、いろいろな出版社が同じようなテーマ(内容)で本を出しているので、どれが良いのか迷うことがあります。いちばん大切なのは教科書で指導する内容に関連していること。そして、情報をつめこみすぎていない本を選ぶことです。
「読みやすさ」と「答えの見つけやすさ」
たとえば、光村図書の小学校3年生の国語の教科書に、「すがたをかえる大豆」という単元があります。これをテーマにしていくつも調べ学習の本が出ていますが、私なら子どもの目線に立って、開いたページの最初に短く要点がまとめてあるものを選びます。
「しょうゆは大豆を使ってこうして作ります」ということが数行で書いてあり、そこだけ読めば要点をつかめる作りになっているものがオススメです。先生も「この本ではこういうところを読むとわかるようになっていますよ」と示すことができます。
読むのが苦手な子にあわせる
読むのが苦手な子にしてみたら、文字数が多いだけでうんざりしてしまうし、どの情報が必要なのかもわからない。そういう子に合わせて、とりあえずそこを読みなさい、という手立てを教えてあげれば、おいてきぼりになる子がいなくなります。クラスの全員がわかる授業を先生は心がけています。まずは、ぱっと見ただけでわかる本があると指導もしやすくなることでしょう。
ややくわしく書いてある本も置いておきたい
ただ、本格的に調べ学習を行うときは、ある程度読みこまないと解答が得られないような、内容がややくわしい一段上の本も必要です。
「あ、ここに答えある、見つかった!」と、解決を見つける楽しさが体験できると、子どもはもっと情報を得ようと自ら積極的に学ぶようになります。学校司書は子どもの発達段階に応じた、幅広い本を揃えることが大事なんですね。
⑥ 子どもが笑顔になる図書館にするには…?
子どもの好奇心を刺激する学校図書館に!
学校図書館は、子どもたちの知的好奇心を刺激する場所でありたいものです。
入館率を上げるもっとも効果的な方法は、「子どもたちが食いつきやすい本を置く」ことでしょう。先生や司書は、文学系の良書をいかにして子どもたちに読ませるか、ということをまず考えます。ですが、それについてくる子は、ほんのひと握りではないでしょうか。
課題図書などをそろえるのも大事ですが、恐竜の本、宇宙の本、動物の本など、子どもなら誰でも好きなテーマを扱った本の品ぞろえをよくしたいところです。ハムスターの本がない図書館は、先生、わかってないなと思います(笑)。
学校図書館の魅力は、蔵書、選書ひとつで決まります。関心がある本があれば子どもは必ずやってきます。
この学研のサイトを先生方にも見ていただき、先生と司書が協力し合って、子どもたちがたくさん訪れる魅力的な学校図書館を作ってほしいと思います。
(おわり)